- https://doi.org/10.4165/kapps.56.29
捕食性天敵チリカブリダニと選択性殺ダニ剤プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル併用によるナミハダニ密度抑制プロセスでの両種個体群の時空間的変化
- Jan 1, 2014
- Annual Report of The Kansai Plant Protection Society
- Koichi Yamaguchi +2 more
Abstract
天敵比率(チリカブリダニ雌成虫数/ナミハダニ雌成虫数)が0.1近傍を超えるとチリカブリダニがナミハダニを短期間で密度抑制できることが示された。放飼したチリカブリダニが定着・繁殖を開始した後に選択性殺ダニ剤プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル乳剤を散布することによって急速に天敵比率を増加させることが,短期間にナミハダニ低密度抑制を達成し維持することに効果があることが示された。一方,チリカブリダニ単用の場合,チリカブリダニ2回放飼であってもチリカブリダニの増殖だけでは天敵比率を急速に高めることは難しいことが示された。ナミハダニ雌成虫とチリカブリダニ雌成虫の空間分布はコロニーを形成し集中分布する傾向がみられた。両種の空間分布の重なりについて,株あたり天敵比率と両種の株あたり個体数の相関関係に注目して検討した。処理区あたり天敵比率の平均値は0.1以上であっても,天敵比率が0.1未満の株が存在しており,時間の経過とともに0.1未満の株数が減少する傾向がみられた。このことは,チリカブリダニの放飼初期段階ではハダニ密度に比例してチリカブリダニが存在するのではなく,ハダニコロニーを捕食しながら移動分散する過程で天敵比率の低い株が減少すると考えられた。